フィグ・アジェスト(c00731)のブログ。キミはワタシを知ってるかい?
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
死闘に来た筈が、どうした事か。
熱い湯が指先から足先から、弛緩させてくる。
熱い湯が指先から足先から、弛緩させてくる。
奈落は幾らか知った地であった。
今では少しばかり、知らない景色が増えたのだろう。
この、温泉群だとか。
声を掛けて回る大きな女の姿に、
ぬくいところに浸けておくのは
”母”の習性なのかと、少し考えた。
身を包むぬくさは、また血の海かと思っていた。
冷えてしまったら、痛い程寒いだろうと、
それは嫌だなぁと、遠くで思った。
実際は温泉に揺蕩い、泥も血も流されていた。
どうやら、時間が経っても冷めそうに無い。
戦いの声が止んで、どうやら湿った空気も無く、
…いっそ賑わいを感じるくらいだから。
心配は無いのでしょう。
無いのでしょうけれど。
「…此れ余所の湯に行っても良いの。」
今暫くと思えば、早く治れと口元までぶくりと沈んでみて。
熱い湯が一際刺激する、細かい傷があるのを知る。
いつの傷か知れないのはいつもの事。
切り傷刺し傷が少ない分、幾らか早く治るのではないだろうか。
身に残るのは、打ち身が多い。
呆気なく振り払われ、衝撃に伸され、
届かなかった攻撃の分、増えた傷。
喉笛喰らうと息巻いていたのではないか。
全て壊すと、いつものように。
いつもより、歯が立たなかった。
唇の傷のどれかは、ざりと自ら噛み締めた時のだろう。
笑って、嗤って。
ワタシは戦うのだと示していなければ、
途方に暮れてしまいそうだった。
「……、くやしい。」
(年単位のリハビリ。とりあえず晒してしまおう精神)
(お疲れさまでした。今までで一番素晴らしい生死不明なう。)
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
フィグ
年齢:
34
性別:
女性
誕生日:
1990/10/17
ブログ内検索