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大戦さの知らせでごった返す酒場を、やっと抜け出した。
一足遅れたとはいえ、報告書の登録帰りに
知り合いの名前の連なる報告書を確認出来るのは、
少しばかり役得かも知れない。
幾つもの無事に足取り軽く、
心配未満の引っ掛かりは、予測に替えて足取り確かに。
自分も見る嵌めになったあのややこしい『エンディング』。
道往く人の顔をつい伺ってしまうも、
更なる情報の見える筈もなく。
暑さと忙しなさで、いつもより萎れた気分で宿に着いた。
さて帰還の報告を、と
上より未だ涼しい食堂で認めようと道具を取りに行きかければ、
丁度良いところにと配達員に呼び止められる。
暑い中に届いたのは、小さな白い小包。
受け取れば嬉しい涼しさが伝わってきたから、
自室に戻るのは後回しにして
少し急いで、食堂のカウンターで開け始めた。
出て来たのは手紙と、冷たさの主と、それから、
「おー小娘良いモン喰ってんじゃねぇか!
いつも世話になってる家主への差し入れは無いのか?うんん?」
「暑苦しいからその笑顔で寄らんでおくれよ。
ワタシは一仕事してきたの。…ご褒美に貰ったのよ?」
何て、勝手に言ってみれば、
自分も笑顔になってるのが分かる。
暑い最中に冷菓を食らえば、そりゃあ笑顔になるに決まってる。
そういう、ものだ。
しょうがないと諦め背を向けた親爺の向かう裏口は、
麦酒を冷やしている泉の方。
しょうがないのはどっちだか。
食べ終えたら知らせを出して、
それからそう、丁度届いたあれを使おう。
何だか分かってる様なタイミングで届いたこと。
…分かっていても、あの送り主なら可笑しく無いように思う。
そのままでも、綺麗な見目に合ういい香りだったから、
きっと使ってみれば良い気持ちだろう。
暑いのはやっぱり嫌だけれど、
こうして楽しみがあることは、評価してやらなくては。
あかくて冷たくて、甘いきらきら
いい香りの、あわ立つきらきら
それから
導きの一つ星