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フィグ・アジェスト(c00731)のブログ。キミはワタシを知ってるかい?
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エルフヘイムで過ごすのも、あと僅か。





アクエリオへ経つ知人を見送れば、
馴染んだ酒場は閑散として、道行く人影も随分と減った。
情報屋の出入りするところに多く集まるから仕方のない事で、
寧ろこれが、今までの姿に近いのだろう。

棘を刈り、源を潰し、
この都市にマスカレイドはもう、居ないから。


つまらないと、おもう。
共に残った主は仕事に追われ、飽いた己は相手取るにもバルバや破落戸ばかり。

在るべきは、傍に。
それは変わらず違えねども、更なる戦いを渇望している。


終焉を破壊したい。
同類らが等しく抱く、ちがう思い。
嗚呼自分には、ただ戦いを求めるに過ぎないのだと、
改めて、おもう。

蟲を染めて拓いた道を、直きに自分たちも辿る。
新しい都市は、水に満ちたうつくしい場所だそうだ。
更なる敵と見みえるまで、あと僅か。

新天地へ向かうは詰まり、この地との別れで。




 温泉で、桜を見た。

 見事な桜は屋敷で絶えず見ることが出来るけれど、
 降り注ぐ花の中は、ここでない何処かのよう、で。

 違うと、おもうけれど。
 ほんの少し、だから好きなのだろうか、などと。
 考えてしまった。




昼の桜は見て、けれど朝の桜の誘いに乗れたら良かったなぁと。
考えながら、灯りの燈された、屋敷の広い廊下を進む。

近頃は傭兵の仕事も、夜までに終わるものを選んでいる。
夜中の用心棒の口も良いけれど、戦えるとも限らず、
先ず、仕事の虫をデスクから連れ出さなくてはいけない。

出立の予定までの、大体の配分は聞いているから、それに合わせて。
都市を渡るのは易い道ではないのだから、無理にその予定を早めてもどうしようもない。
分かっている筈なのに、根を詰めがちなのはどうしてだろうか。
いつも通り、だからだろうか。

表向きの仕事に関し、大した手伝いは出来ないと既に示されてしまった。
というか手を出してみたら余りに意味が分からなくて、怒られた。

だから大人しく、日中は自分のことを。
暮れれば更ける前に、主のもとへ。



ふと窓から外を見れば、暗く染まった中にぼんやりと、白く桜が見える。
屋敷の灯りが届くのか、白いが光を集めるのか、薄っすらと光るかのように。

嗚呼夜桜も見ていない、か。
そう気付いて、思いついた。


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フィグ
年齢:
34
性別:
女性
誕生日:
1990/10/17
自己紹介:
 この作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
 イラストの使用権は作品を発注したPLに、著作権は『山田2』絵師に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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