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フィグ・アジェスト(c00731)のブログ。キミはワタシを知ってるかい?
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今度は、頬が冷たく濡れる感覚で起された。
また何かの、誰かの血かと拭えば
綺麗ではなくとも鮮紅ではなくて。
自分に付いている汚れが濁らせたかと、
眠りながら泣く様な稚さの所在を探したところで
空気の湿っぽさに気付いた。

降ればと思ったところで来るとは、何と素直な。
時分が時分であるのだろうけれど、丁度良い。
緩慢な動きでハンマーにこびり付いていたものを落としにかかる。
相棒が汚れたままでは、襲われても心許無い。
爪も洗わねば。

このまま降られれば気持ちは悪いだろうが既に血泥塗れ。
凍え死ぬ季節でもなし。
もっともっと、降れば良い。
動かなくとも喉が潤う。

寝てる間、怒られたような、諭されたような、そんな記憶がある。
こんな場所に誰も来やしないから、気のせいだろうけれど。
望まれるなら、夢を通ってでも。

腹の傷は、爪に貫かれたものだったろうか。
生きているから臓腑を落としてはいないのだろうが
布を巻き込んででかい瘡蓋になっている気がする。
痛みは望むところと常々謡えど
自身を毟るのは面白くない。
他の傷がどうにかなって、熱力が戻れば
ベルセルクでも試してみようか。
うむ、手前の面倒が見れるのは便利だ。

それにしても…どれだけ、どれだけ此処に居れば良いのか。
確かに碌々戦える気はしないが、
此処は、暇だ。本当に。
痛みも過ぎれば慣れると聞いてはいたが、
ほんに慣れるなら早く治さないと。
痛くない痛みはつまらない。

独りごちるにも力が余っているでもなし。
また寝てしまおう。
寝ていれば、少しずつでも何処かは治る。
嗚呼、次起きたらベルセルクの前に、
舐めて治そうか。



(遠く、軽い足音が。
少し進んでは止まり、何か呼んでいるような。
探しているような、足音が。)
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プロフィール
HN:
フィグ
年齢:
34
性別:
女性
誕生日:
1990/10/17
自己紹介:
 この作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
 イラストの使用権は作品を発注したPLに、著作権は『山田2』絵師に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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